卒業生の声(リワーク/転職)

S.Nさん(30代:女性)

「私はあなたを妹のように思って社会復帰まで接しますよ!」

2014年11月末。過重労働と転職による環境変化、業務へのプレッシャーで体調を崩し、
うつ病を発症してから3か月目。
主治医から紹介により数度のリファイン体験利用を経ても
どこかで人との関わりを煩わしく思い恐れていた私は通所をためらっていました。
また、休職期限が迫り、在籍している企業を辞めたら年齢的にも後がないと考え、
復職を考えてもいました。

そんな私に通所の決意をさせたのは冒頭のリファイン就労センター井田代表の面談での
言葉です。就労支援センターで、どこの馬の骨ともわからない私に家族のように接してくれると約束をしてくれるとは思わず、これは半端な覚悟ではできない、
ビジネスマンとして華麗な経歴をもちながら、これほど熱い方もいるのかと驚きました。
その面談での印象深い言葉はもう一つあります。

「リファインで今一度、自分をより深く理解して、本当に望む人生を見つけなおして
メンタル不全になる前より幸せな自分を目指せばいいじゃないですか!」

在籍していた会社に復帰しても、自分の志向も感情も殺し、我慢して働くイメージしか
持てなかった私にとって、まだやり直せるかもしれないと目の前が開ける励ましでした。
この言葉でその場で在籍している会社を辞め、社会復帰と転職を目指し、
まずは回復に努め、再発予防のトレーニングをリファインでする事を決意しました。

そして2014年の12月から2015年12月まで約1年間リファインに通所をしました。
今から思えば復職しなくて本当に良かったというほど
リファイン通所開始後、体力もメンタルも安定せず、3か月は規則正しく生活を送り、
睡眠をとり、通所するだけで精一杯でした。
そんな状態のスタートでもリファインのスタッフの方々はそっと傍で見守って下さり、
トレーナー、臨床心理士、キャリアカウンセラーの方々と密に連携を取って私について
最適でパーソナルな対応をして下さいました。
このフォロー体制は体調が安定した後も卒業するまで続き、アクシデントがあれば
すぐフォローや面談・カウンセリングが入り、数人のプロフェッショナルが
自分を見てくれていると感じていました。

また、私が助けられたのはリファインに通う同じ苦しみと復帰を目指す通所者の皆様です。
リファインにはお互いに助け合い、良い影響を与え合う風土を皆で作っていく文化のようなものが私の入所当時から脈々と続いてあります。
そしてリファインのワークは利用者同士が自分の経験や考えを率直に話し合う
ディスカッションに多くの時間を割きますが、そこでリファインの文化はいかんなく
発揮されユーモアも交えた活発なやりとりが行われます。
メンタル不全に陥る前に答えは自分の中しかない、他人との話し合いは無駄とさえ思っていた私ですが、これは職歴を重ねる過程で自分の責任やスピード感を追求する中で
ゆがんでいった価値観であると考えを改めました。
自分ひとりで考える行為は壁打ちテニスのようで自分の想定内で跳ね返ったボールを
打ち返し精度をあげるようなもの。これも必要な作業ですが、他人と打ち合えばいろんな
アイディアやヒント、時には自分の予想とは全く違うボールが返ってくる…自分の視野がぐぐっと広がっていく感覚を味わいました。そしてワークを共にする経歴も年齢も違うメンバー全員が参加してラリーをしていく…ビジネスだけではなく様々なシーンで
コミュニケーションを円滑にする方法について多大なヒントを得ました。

思い返せば、私のストレスの原因やメンタル不全の原因の一つは『人間関係』でした。
コミュニケーション不足や誤ったスタンスを改善すれば、社会復帰後の行動も主体的に
なると同時に自分が楽に生きられると直感し、まさに毎日のワークが訓練になっていると
真剣に取り組みました。
そして『人間関係』で傷ついて臆病になり、得るものが少ないと考えるまでになった
私が『人間関係』に癒され、ポジティブな面を見出した経験は、実は私はコミュニケーションが好きで得意であるという事実を思い出させ、コミュニケーション力が重視される職場で働きたいと転職活動をするにあたっての企業・職種選びの柱を立てる事ができた
収穫もありました。

8月まではゆっくりしたペースながらワークの課題、他の利用者やスタッフの方々からの
指摘を通じ、本来の自分の良さや好き・得意な事を再認識し、改めて同時に過去の辛い
経験ともつながる自分の弱さやストレスについても向き合い、自分を知り再発を防ぐための集大成として『自分取り扱い説明書』を完成させ、満を持して9月から転職活動を
始めました。

結果は3ヶ月ほどの長期戦となりました。
年齢、転職回数の多さやブランクがマイナスとなり、書類通過率も10%を切る状態。
書類通過をしてもチャンスが活かせず、1ヶ月を経過して、志望度の高かった企業から
厳しいレビューと共に面接不通過の連絡を受けたきっかけで、自分のふがいなさに
リファインで思わず涙しました。

まずは親身にトレーナーの里子先生がフォローして下さり、気持ちは落ち着きましたが、頭の中はとにかく一旦休みたいという考えばかり。
ただ、思い返せば就職活動をし、社会復帰間近な私は回復期のように数日間、ダメージを
引きずって落ち込んでいるフェーズではありません。
間髪をいれず、井田代表が「明日、私が模擬面接をします!」と提案をして下さいました。
自分がもうストレスを避けるだけではなく、即時性をもって対処していかなくては
いけない段階にいると自覚すると共に私のフォローをし、状態をよく見て、最適なタイミングで手を差し伸べてくれる…私の就職活動をチームリファインで支えて取り組んで
下さっている事を感じました。
そして冒頭の代表の言葉が久しぶりに頭に浮かび思いました。

代表の模擬面接は受ければどんな面接も怖くないと定評があるほど的確にチェックして
下さるので、自信がぐらついている中、しどろもどろで終えると自分のキャラクターを
恐れず出せばいいというアドバイスがあり、拍子抜けすると同時に後は自分次第だと
腹をくくりました。その後は面接も自分らしく話すことに努めました。
そのためか不通過でも縁がなかったときっぱりと切り替えるようになり、
最も忌憚なくパーソナルな部分までお話をさせて頂いた第一志望の企業に就職が決まりました。

こうしてリスタートを切ったばかりの私ですが、リファインの皆様と一緒に社会復帰を
目指した仲間たちというアドバイザー・理解者・応援団を得た今は一人ではない
心強さがあります。

メンタル不全前後の私は他人の非難や評価を過剰に恐れていたと思います。
ただ、リファインでは私がそうだったように何度失敗しても、ふがいなさを見せても、
あきれられたり、見放されたりするという事ないと思います。

リファインは安心してチャレンジをしながら、本来の自分を取り戻し、
自分に合った道を選び、新しいスタートを切るにはふさわしい場所だと思います。
そして、もし万が一、また嵐に巻き込まれそうになったら…真っ先に駆け込む
ホームのような場所として私は今後もお世話になっていこうと思っています。