卒業生の声(リワーク/転職)

J.Yさん(50代:男性)

私がリファインで過ごした約半年間は「自分を真剣に見つめ続けた最も濃い時間」でした。
これほど自分について考え、自分の性格を見つめさらけ出し、定年後も踏まえた将来を考えた時間はありませんでした。

思い返せば、入社して早30年。順風満帆とは言えませんが、やる気とやりがいをもって会社員としての人生を送ってきました。そんな中、何度目かの異動で今回の病に倒れてしまいました。

私同様異動してきたばかりの威圧的な上司と、職場環境と仕事内容に慣れている年上の部下、私のやり方を受入れようとしない女性社員がいた職場です。新しい仕事に慣れる間もなく膨大な仕事量に追われる日々が始まり、上司からは「ちゃんとやってくれ!」とせきたてられ、部下からは「こんな仕事はできません」と突き放され、精神的にも肉体的にも追い詰められていきました。睡眠時間は3時間程度。仕事が終わりきらない絶望感に襲われ、自分のふがいなさを突き付けられ、自分の感情をコントロールできない恐怖から近所の心療内科に駆け込んだことを覚えています。投薬治療を受けながら何とか自分の感情を抑え仕事を続けましたが長くは続かず、日に日に追い詰められ、これ以上職場にいたら死んでしまうとさえ思うようになりました。

「仕事を辞めたい」そう言いだした私に家族は「辞めるのじゃなくて、休んで、元気になってから考えよう」と言ってくれました。自分では判断がつかないほど疲れていた私は、家族の言葉に従うことにしました。精神的に病んでしまうと体力も知力も落ち、正確な判断ができない。現状から逃れたいために職を辞するのではなく、まずは休んで肉体的・精神的に正常な状態に戻すことが先決と考えました。

家族の勧めもあり転院を決め、秋葉原クリニックの安藤医院長と出会い、自分の精神状態とこれからの治療法について詳しく知ることができました。知力は落ちたものの、先生からの理路整然とした説明は、不思議と自分の中に“すーっ”と入り、これからどうすべきなのかが漠然と見え、自分の病気をしっかり認識できました。そして何よりも心強かったのは、医院長の「大丈夫!必ず治りますよ!」の一言でした。

まずは会社を休務し、投薬によって苦しい状態から自分の感情を少しずつ解き放ち、約1か月で外に出るまで回復できました。その後一定時間、図書館に居ることができるようになり、次のステップとして医院長に紹介されたのが「リファイン」でした。

リファインについては、他の人達も書いているので、あえて多くは語りませんが、そこに集う皆の熱い思いが込められている場所と言えます。
自分の生き様とこれからの人生について語り合いたくなるような不思議な雰囲気と、井田代表をはじめとするスタッフの通所者に対する優しく暖かい思いがあふれている場所と言っても過言ではありません。
通所仲間とはこれからもつき合っていける友と思えるほど打ち解け合うことができました。通所者の年齢は様々ですが、皆、職場では語れない悶々としていた感情を年齢に関係なく素直にぶつけ合っています。そんな中で、再発防止に向け、これからの人生をいかに無理せず生きていくのかを考える機会と、家族同様いつでも相談できる場所を私は得ました。

リファインを卒業するに当って、最大の山場は就労トレーニングでした。職場に戻る前に他企業で働き、職場復帰した際にストレスに耐えられるかどうかを試してみる格好の機会です。
私自身はこれまでのリファインでの学びの中でトレーニングなど受けなくとも復帰できる自信があり、しっかり治っている自覚も持っていました。
しかし、今回倒れてしまった原因とも言える自身の弱点をトレーニング先で突かれ、対応に戸惑いました。弱点は「上司や部下に必要以上に気を使わないこと」などです。
これらをクリアするにあたっては、井田代表と熱く意見を交わしました。代表と真正面から感情をぶつけ合うことで、復職後の自分の姿(退職後を見据えた将来ビジョン)を再確認することができ、それを踏まえて決して再発しない!意思を改めて持てたことは忘れられません。
卒業に至る過程すべてが、リファインの細かい配慮であったことに改めて驚くと共に、深く感謝しています。

今、私はリファインへの通所を終え、職場に戻っています。今後、新たな試練がやってくることもあるでしょう。しかし、私にはリファインで過ごした経験と、いざという時には駆け込める場所があるという安心感があります。
そして、以前のような状態には陥らずに、身を守る術も身につけています。「リファインとの出会い」、それは私にとっての大きな財産です。