卒業生の声(リワーク/転職)

S.Iさん(30代:女性)

初めてリファインに見学希望の電話をかけてから、ちょうど1年がたちました。現在の私は、1年前には考えもしなかった人生の選択肢を選び、再就職して新たな道を歩き始めたところです。

以前の私はとにかく仕事が最優先で、周囲に認められるために背伸びをし、能力以上の力を出すために無理を重ねていました。その結果過重労働でメンタル不全となり、1社目の会社を退職。そして転職しても同じ働き方を繰り返してしまい、再発の危険を感じて逃げるようにして2社目も退職しました。

リファインのことを知ったのは2社目退職後、自分で就職活動をしていたもののエネルギーがわかず、家にこもりがちになっていた時に、姉から「リワークというものがあるらしい」と教えてもらい、ホームページを見たことがきっかけでした。恐る恐る電話をかけてみると、「明日見学に来てください」とスタッフの方が快く言ってくださいました。

「ここに通っても駄目だったら田舎に帰ろう」そう思って入所を決意し、毎日リファインに通う生活が始まりました。日々のプログラムでは自分の価値観や思考のクセなどを、グループワークを通じて理解し、徹底的に「自分と向き合う」ことを行いました。最初のうちは辛くて目をそむけたくなることもありましたが、続けていくうちに「なぜ自分がメンタル不全になったのか」、「自分にとっての幸せとは何か」を徐々に考えられるようになりました。

それらの気づきを整理し明文化したものが「自分取扱説明書」、通称「取説」です。取説では自分の性格、なぜメンタル不全になったのか、今後大切にしていきたい価値観は何か、再発防止のためにどのような取り組みをするかなどをまとめました。そして、ここで苦労して作成した取説が、道を見失いかけていた私にとっての、新たに一歩を踏み出すための光となり、また今後の自分を支える軸となりました。

就職活動はブランク期間が長いため難航しましたが、最終的に私の第一志望となり内定をいただくことができたのは、故郷の企業でした。それまでは故郷で就職など考えもしなかったのですが、自分が取説で定めた「今後大切にしていきたい価値観」を守り、再発のリスクを減らすためには、故郷の安心できる環境の中で働くことが最善という結論に至りました。また仕事内容が、自分のできることを無理なく活かせる内容だったということも決め手の一つでした。

「リファインで駄目だったら田舎に帰ろう」と思っていた私が、自らの意思で故郷での就職を選択したのです。それは逃げ帰るためではなく、人生を幸せに生きるための前向きな決断でした。そして今、ワクワクした気持ちで新しい生活、新しい仕事をスタートできた自分がいます。このような状態でいられることは1年前には想像することもできませんでした。

こうしてリファイン通所は私の人生におけるターニングポイントとなった訳ですが、ここに至るまでには何度も迷ったり、不安な気持ちになったりしたこともありました。そんなときに支えとなり、背中を押してくださったのが、井田代表をはじめとするスタッフの皆さまでした。また一緒にプログラムを受講した通所者の仲間たちとは、お互いに理解、共感し合い、素晴らしい関係を築くことができました。こうした出会いなくして今日の自分はないと思っています。皆さまには心から感謝しております。

リワークに通う、というのは一見すると社会復帰には遠回りに感じるかもしれません。実際に私もそう思っていました。しかし、遠回りをした結果、自分を理解し、多くの人と出会い様々な価値観に触れ、再発防止のための沢山の手段を身に付け、一歩一歩着実に社会復帰に近づいていくことができました。この遠回りをした1年間は、今後の自分の人生において非常に重要な期間だったと感じています。

最後に、もしもこの文章を最後まで読んでくださってリファインに見学に行こうか迷っているのでしたら、あれこれ考えこむよりまず行動。ぜひ勇気を出して電話をかけてみてください。
その1回の勇気から人生が思いがけない、ワクワクする方向へと開けていくかもしれません。