卒業生の声(リワーク/転職)

Y.H.さん(40代:女性)

20代後半に抑うつと診断され、それから10年以上、数回にわたって休職・復職を繰り返しました。症状の特徴から、主治医から「うつ」ではなく「Ⅱ型双極性障害」だと言われ、気を付けるべき生活面での注意などを受けましたが、自分ひとりで躁鬱の波をコントロールするのは大変難しく、すっかり疲れ果て再度大きなダウンをしたときにリファインへの通所を進められました。

見学前は、就労支援センターというのは、OA機器の操作練習や新入社員が受けるようなビジネスマナーのトレーニング、情操教育みたいなことをするといったイメージでしたので、行く意味を感じられずにいました。

実際に、リファイン以外の就労支援センターなどでは、職業訓練のようなプログラムがメインになったりすることもあるようです。

もちろん、ビジネススキルの向上もトレーニングとしてはありましたが、基本的なことよりは、より高度なコミュニケーションが必要な業務の進め方、取り組み方、考え方、気持ちの持ち様などがメインで大変ためになりました。

実際に私は他の方に比べかなり長く通うことになりましたが、その時その時で自分と向き合い、他の方の意見を聞き、少しずつ自分を変えることができ、また働くことができるようになりました。

私が最も自分が変わったと思った学びは「自分の思考のクセを知る自己理解とそれを受け入れる自己受容」「他人を尊重して理解する他者理解」という、自分と周りを取り巻く様々なことをどう捉えてどういう感情を持つかを考え直すこと。

それにより、独りよがりの劣等感や誰かに嫌われている、攻撃されている、などの被害意識が薄れ、先入観の無いコミュニケーションを取れるようになり、ストレスが激減しました。

ストレスなく落ち着いてコミュニケーションを取れるようになったので、仕事上だけでなく、友人関係などもかなり改善したと思います。もちろん、受信側だけでなく自分が発信する側として、どのような伝え方をしたら誤解無く相手に嫌な思いをさせることなく自分の考えを主張できるかということもトレーニングします。なかなか難しいですし、相手が攻撃的だとつい反撃したくなったり委縮したりしますが、「自分がストレスを感じないために、相手にもストレスを与えない。怒らせない。」と自分主体で考えて落ち着くようにしています。

また、自分の特性についての理解を深め、その対策を行動面に具体的に落とし込み訓練することで、双極性障害の気分の波をコントロールすることができるようになりました。これもなかなか難しいことでたまに失敗しそうになったりしますが、自分の状態を客観的にみる習慣がついたことで、以前のように大きな波に翻弄されてダウンするようなことなく、事前に対策を取れるようになりました。

他にも色々学びはありましたが、私にとってはこれらの学びが一番自分が楽に生きられるようになったきっかけだと思っています。

まずは、扉を叩いてみてください。体験・見学で合わないと思ったらやめればいいし、自分の気持ち次第で受け止め方も吸収のスピードも変わりますので、自分のペースで自分を改革できればいいと思います。これを読んでいる方は今メンタルダウンをして、辛くてやる気も起きない状態だと思います。無理はせず、自分に合っていると思ったら自分のタイミングでサポートを受けながら元気になっていければいいと思います。私はやる気がなかったりなかなか通えなかったりもしましたが、卒業して再就職して、以前より格段に楽に生きられるようになり、行ってよかったなと実感しています。