卒業生の声(リワーク/転職)

T.Nさん(30代:男性)

「再発なんてまっぴらだ。もう二度と大切な人達にこんなつらい思いをさせたくない。」
その思いがリファインに通所を決断する最大の理由でした。

そしてこの度8ヵ月間の通所を経て3社から内定を獲得することが出来、第一志望の企業へ入社します。

リファインとの出会いは2015年7月。

医療系リワーク施設の通所を無事に3ヵ月間やり遂げた私は「自分はもう大丈夫だ。さあ、長く休んだ分バリバリ働いて今までの借りを取り返すぞ!」と就職活動に意気込んでいました。その時、カウンセリング担当の臨床心理士からの紹介で体験通所に訪れたのがきっかけです。

当時の自分は、2回目のうつ病発症による離職で2014年10月からビジネスシーンから遠ざかっていました。プライベートでは第一子が誕生し、出産/育児で出費は嵩むばかり。①早くお金を稼がなければ家計がままならない。②働いていない父の姿を極力子供には見せたくない。この2つの思いがとにかく就職先を見つけてすぐに社会復帰を果たそうというあせりとなり躍起になっていたのです。

しかし、私は生活リズムが安定し元気に生活をできるだけの状態で重要な事をしっかり理解していませ んでした。具体的な例をあげるとすれば、

そもそもなぜうつ病を発症、そして再発してしまったのか。

自分は何が得意/不得意で、今後どんな人生を歩んでいけば一番幸せなのか。

どのような業界で何の職種であれば再発せずに健康でいられるのか。

何も考えずに就職活動を始めようとしていたのです。

今振り返ってみると大変危険な行為を犯そうとしていました。運よく内定を獲得して社会復帰を果たし ても、すぐに再発をしてしまい同じ事を繰り返してしまっていたでしょう。

そんな自分を我が子のように必死に止めてくれたのがリファインでした。

自分は3兄弟の末っ子として幼少期に甘やかされて育ったため、頑固でわがまま、他人の言う事はなかなか素直 に聞き入れる事が出来ないという気質があります。

通所当初はスタッフの方々の言葉を無視して就職活動を継続しており、プログラムに参加している際も 「そんな事はもう知っている」「医療系のリワークでやったのと同じことだ」と決めつけてプログラムに集中していませんでした。も ちろんそんな状態では何も身にならない事は明らかです。

ところがある日、大きな気づきが訪れます。

今までの人生と価値観を振り返るプログラムの中で、大学生までは親に反発をしながらも言われた事を 受け入れ元気に楽しく過ごしてきた。しかし、社会人生活では他者評価の欲求と自己顕示欲を出し続け、他者からの意見に耳を傾けず 自分の意見だけで生きてきたのではないかと。結果として、上司からのパワハラや過重労働によりうつ病を発症した。原因は他者だけ ではなく自分にある。その事実を真摯に受け止めたのです。

この事により、今回はまずリファインの方々の事を信じてトコトンついて行ってみよう、

一度自分の人生を信頼できる他者に委ねてみようと思えたのです。

そこからは毎日のプログラムを通して、自己理解と他者受容の気持ちを高めていく事が出来、今後の社 会復帰をする際の目指すべき姿が見えてきました。その集大成が「自分の取扱説明書」の作成です。

うつ病を発症するに至った出来事を冷静に受け止め、同じような場面に遭遇したらどう対処すれば良い のか。根本原因として同じ状況を生み出さないために心掛けなきゃ行けない事は何なのか。自分が本当に大切にしたい事は何なのか。 逆にこの機会に捨てても良い事は何なのか。少しでもストレスを感じる事無く生活する方法を自問自答を繰り返し、可視化することで今後の生き方を明確に出来ました。

その結果として就職活動において応募企業選びをする際にしっかりとした自分軸を持ちながら取り組む 事が出来、自分にとって最善の企業から内定を獲得する事が出来たのです。

メンタル不全を発症するきっかけは人によってさまざまです。一方で、自分を知り、他者も理解した上 で自分にとって最善の道を選ぶことができるようになれれば、今後の人生におけるさまざまな変化が訪れてもしっかり対処をする事が できる柔軟性を身に着ける事ができると思います。リファインのプログラムの中にはそれに必要な要素がしっかりと含まれていたので、様々な気づきを得てこれからの人生を幸せに生きていく術を教えて頂きました。

通所開始時に井田代表からお約束頂いた、「うつ病発症以前より幸せに生きていく方法を身に着けて社 会復帰が出来る」ということを実感しております。

今後はしっかりとリファインで身につけたスキルを社会で実践しながら、まずは健康第一で幸せな人生 を送っていきたいと思います。

時には社会の荒波が自分を襲ってきても、共に社会復帰に向けて切磋琢磨しあった仲間達とリファイン の定着支援という駆け込み寺があるという安心が大きな支えです。

最後に、井田代表並びにスタッフの方々、そして共にプログラムに参加し多くの気づきを与えて下さっ た通所者/卒業生の方々に心より御礼申し上げます。

また、この文章をお読み頂いたメンタル不全に悩まれている方の少しでもお役に立てたのであれば幸い です。