卒業生の声(リワーク/転職)

A.Sさん(20代:男性)

私は、地元の大学を卒業後、就職のために上京しました。当然のように残業し、部屋には食べて寝るためだけに帰り、翌朝は始業時刻に滑り込むような平日、そして大半を寝て過ごす休日の繰り返しでした。自分の健康など省みたことはありませんでした。

仕事に関して、今ならば、部下が上司から改善指導を受けるのは当たり前だと思えます。しかし、「思い込みの塊」であった私は、「自分がダメなんだ。」「自分で何とかしなくては。」と自分を責めて追い込み、仕事を抱え込み、心身共に疲弊し切った6年目にメンタルダウンを起こして休職しました。

通院と自宅療養で回復してきた頃、主治医より「リファイン就労支援センター(リファイン)」を紹介され、復職を目指して通所を始めました。その時の私も「思い込みの塊」で、自信がなく、人にどう思われるかばかりを気にしていました。

リファインの1つのセンターには、20人前後の通所者がいます。年齢や職歴も様々で、初日は、緊張と不安でいっぱいでした。しかし、日を追うごとに、「受け止めてもらえる」「共感してもらえる」と実感し、私の「思い込み」は解きほぐされていきました。これは、メンタル不全という共通の経験がある通所者同士が、互いに理解し合おうとする穏やかな雰囲気が、私にとって心地よかったのだと思います。

この雰囲気のもと、トレーナーのそれぞれの専門性が生かされたワークを受けました。自己の行動・考え方・感情の傾向を振り返り、それを4、5人のグループで話し、聴き、共有することで、他者との共通点と違いから、「自己理解」が深まっていきました。

社会復帰について、通所期間中に何度か復職時期を決めることがあり、その度に悩みました。自己理解が深まるにつれ、「復職して健康を保ち働き続けられるのだろうか」という不安があったためです。

そういった不安・悩み・心配があるとき、リファインでは、温かくいつでも相談に乗ってくださるスタッフの皆様や、心理カウンセラーとキャリアカウンセラーの先生方とお話ができ、落ち着いて考えることができました。同時に「自分がどうするか」という、対処・行動が取れるようになっていきました。

こういった気づきと進歩を重ねる日々の中で深めた自己理解を「自分取扱説明書(取説)」の作成によって形にしていきました。作成時の問いの1つに「これからの人生を幸せに生きていくためには?」があります。これに対する答えは、これからもその他全ての項目を更新しながら確かめていきたいと思います。

リファインで得た課題への対処を実際の企業での実習を通して実践する「就労トレーニング(就トレ)」のプログラムもあります。私は就トレによって、自信と社会復帰への意欲を高めることができました。

その後も、新たな自己理解と課題を得て、対処を考え実践する日々を過ごしました。佳境には代表直々の面談で、根気強く、私の考えを理解し、心の底にある思いを引き出そうとしていただきました。取説も私の意識もより社会復帰を目指したものになりました。

そして、「幸せな人生」の第一歩として、転職による社会復帰を決断しました。初めての転職活動でしたが、私に合わせて進められるよう、センター長やキャリアカウンセラーの先生を中心に支援していただきました。同様に就職活動をする仲間がいたことも、心の支えになりました。

今、社会復帰を目前に、通所当初の自分を思うとき、「私は変わった」と断言できます。以前帰省したときに、家族にさえ心配をかけまいと、心の底に「辛い」という言葉を押し込めていた自分はもういません。今、家族とは、こまめにやりとりし、伝えたスッキリ感と理解してもらっている安心感を得ています。

今は、何が何でも、以前の「自分を大切にしない自分」を許さないことを心に決め、社会人としての再スタートを切ります。卒業後もリファインには、アフターフォローの「定着支援」として定期的に相談に乗っていただく予定です。

これまでリファインで出会った全ての皆様、そしてこれまでの人生に関わる全ての皆様にも、今私が、幸せに向けた一歩を踏み出せたことに感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。

それでも、これで終わらないリファインで得た「つながり」を大切にしたいと考えています。今後ともよろしくお願い申し上げます。